"Phillip Spector"プロデュースの第1作目にして米国2位英国4位のヒット曲です。
"Spector"の"ウオールサウンド"
とは多重録音を駆使した技法で
録音技術の進歩に関係があります。
1950年代~1960年までは通常4トラックのレコーダーで最終的にモノラルにするのが通常でした。それが1966年頃から
8トラックが普及してきて、より多くのオーバーダビングができるようになってきました。
なので"Spector"のウオールサウンドは4トラックか、開発されたばかりの8トラックで多くのダビングをしてつくられていたということになります。
因みにこれらアナログのマシンは67~73年まで16トラック、73年以降は24トラックが開発されて
75年以降は24トラックが主流となります。
私もそ24トラックのマシンをさんざん使ってきた
世代ですが、『24』trというのは楽曲をつくるのに
必要十分な数であったという印象があります。
この後デジタル技術が進むとマルチレコーダーは
48トラックまで進みます。
この"SONY 3348"は私が最も使い慣れた録音機です。
音楽を創るのにとても使いやすく
便利な録音機でした。
また48トラックになってから、演奏家に、演奏を
『キープしといて』と言われるのが多くなりました。
つまり演奏に納得できないけど、これ以上できるかもわからないから、消さないで。ということです。
そういう意味でも良くなったと言えるのかもしれませんが、
Beatlesの頃には『キープ』はできなかった。
そのことが生まれる音楽になんらかの影響を与えたのでは、と思うことがあります。
1960年代後半から1970年代には実に多くの『Legend Album』があります。
16trでつくられた作品です。
今はトラック無制限。『Legend Album』はそんなに増えてません。