12枚目のオリジナル・シングル曲
"名曲"とはいったい何を理由にするのか。その意味によって対象は千差万別になります。
メロディーが素晴らしく
それで名曲というべき"Rose"の様な曲もあります。
一方で"構成力=編曲"そして"時代を先進した斬新な手法"という視点もあります。
音楽を制作する時にその構造に目を向けると
"ホモフォニー"か"ポリフォニー"かという音楽の構造の違いがあります。
"ホモフォニー"は歌とピアノ伴奏のように、単旋律と和声の組み合わせで
"Rose"はこのカタチです。
一方"ポリフォニー"とは弦楽四重奏のような単旋律の複合です。
"ポリフォニー"音楽の編曲の技術はクラシックで築かれてきました。
ポップスではギター・ピアノという単旋律も和声も両方対応できる楽器と
単旋律楽器のベース、歌が組み合わせられます。
"The Beatles"の場合、まずベースがひじょうによく表情豊かで歌うのです。
そしてそれがメロディーと絡み合って
”見事な和声とリズムに特徴がある『フレーズ』をつくりだす”
計算されたベースラインなのです。
それにギターも和音弾きだけではなく、『フレーズ』で答える。
その結果全体が美しく構成される。という”構成力の妙”がこの曲にはあります。
"The Beatles"はこの点で同時代の他のポップスアーティストより先をいっています。
この曲のドラムを注意して聴いてください。ハイハットもフレーズにされています。
スネア・ベースドラムもそれぞれがメロディーに対してフレーズ化されてるのです。
たんなるリズムパターンではありません。
もう1曲見てみましょう。