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名曲千夜一夜物語-682~"Waiting Around to Die"-Townes Van Zandt-1969

更新日:2022年6月5日


アルバム"Townes Van Zandt"収録

Townes Van Zandt - Vocal, guitar


written by Townes Van Zandt





"Townes Van Zandt"は1944年生まれの米国のシンガーソングライターです。

いわゆる"Artist's Artist"として知られていて、

"Bob Dylan", "Willie Nelson",などのビッグネームから

"Norah Jones"などの21世紀の若手までにリスペクトされ、作品が歌われ,

2004年にはその人生が映画~"Be Here to Love Me"~にまでなっている

そんなアーティストです。


<Waiting Around to Die-Lylics>-Townes Van Zandt

Sometimes I don't know where this dirty road is taking me

Sometimes I don't even know the reason why

But I guess I keep a-gamblin', lots of booze, and lots of ramblin'

Well, it's easier than just a-waitin' around to die

時々わからなくなるんだこのくそったれの人生は、俺をどこに連れてってくれるのか

意味さえも分からなくなる


Ah one time, friends, I had a ma, I even had a pa

Well he beat her with a belt once 'cause she cried

She told him to take care of me, headed down to Tennessee

Well, it's easier than just a-waitin' around to die

かつてはママがいたし、親父だっていたんだ

それでさ、親父がママをベルトで殴ってね、ママが泣くんだよ

ママは親父に俺をちゃんと育てるんだよ、と言ってテネシー州に行っちまった

そうさ、そりゃただ黙って死ぬの待ってるよりはましだ


I came of age and I found a girl in a Tuscaloosa bar

Ah she cleaned me out and hit it on the sly

Well, I tried to kill the pain, I bought some wine and hopped a train

It seemed easier than just a-waitin' around to die

俺も一人前の年になってさタスカル―サの街のバーで女の子と出会った

あぁ、彼女はこそこそとさ、俺を追い出して殴ったんだ

それで俺は痛みに耐えて、ワインを買って列車に飛び乗ったんだ


Then a friend said he knew where some easy money was

We robbed a man and, brother, did we fly

But the posse caught up with me and drug me back to Muskogee

And it's two long years a-waitin' around to die

友達が言ったんだ、楽に稼げるところがあるって

俺たちは強盗してとんずらした

けど自警団に捕まって薬打たれてインディアン居住地に戻された


Ah but now I'm out of prison, I got me a friend at last

He don't drink or steal or cheat or lie

Ah his name is Codeine, he's the nicest thing I've seen

Well, together we're gonna wait around and die

Yeah, together we're gonna wait around and die

あぁでもね、今は監獄から出てきて、ようやく友達ができたんだ

彼は酒も飲まないし、盗みもしない、ごまかすこともしないし、嘘もつかない

うん、これで一緒に俺たちはのんびり死ぬのを待つんだ

そう、一緒に俺たちはのんびり死ぬのを待つんだよ


1970年頃のライブ映像です。








自らの境遇を物語ったのか?と一瞬思いますが、

"Townes Van Zandt"は"Texas"の政治とビジネス、そして軍にも成功した力をもつ

有名で富のある一族に生まれました。


"Townes”は少年時代に高いIQであることが分り、親は彼を法律家か上院議員に

しようと考えたようです。

音楽に関しては12歳のクリスマスに父からプレゼントでギターを贈られ

当時のスター”Elvis Presley”に憧れる少年にすぎませんでした。


大学に進んだ彼は躁うつ病となり、アルコール中毒になってしまいます。

ヘロインにもはまり、深刻なヘロイン中毒にもなります。

躁うつ病はやがて統合失調症へと進みます。


高いIQをもつ人が20代で統合失調症になることは症例として知られていることですが

思考の速さがものすごく早いそれは、

脳内の神経細胞”ニューロン”間の伝達物質が活発であるという場合に、

自分がそうであることを論理的に理解できればいいのですが、そうでなければ

不幸な方向に進みます。

そのことを周囲が理解することも大事なことです。


音楽の世界ではこのような人物によく出会います。

歴史のなかでいえば、Jazz界をみれば"Bud Powell", "Thelonious Monk",などがそれにあたるでしょう。

私が音楽界で仕事をしてくる中でも実際に何人かが思い浮かびます。


"Townes”の人生は常に薬物と精神病と共にあります。統合失調症に対する昔の荒い治療法で

心身に大きな負荷をうけたことも不運でした。

大学を辞め、空軍にはいるも対応できず、彼が最後に選んだのが

音楽だったのです。

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