"Delaney & Bonnie"は1967-1972年
に活動した夫婦デュオ。
ここではDuane Allmanがスライドギターを弾いています。
米国南部でBlues,gospel,bluegrass,bugi,と黒人文化を背景とした音楽が発生しました。
米国ではその後60年代には西海岸も音楽が発展する地としての役割を持ちます。
南部ミシシッピ州で生まれた"Delaney"は1959年に西海岸ロサンゼルスで活動を始めました。"Bonnie"は南西部テネシー州メンフィスでバック歌手として活動していました。二人はロサンゼルスで出会い結婚し、チームを結成します。
"come on in my kitchen"はDelta bluesを代表するブルースマン"Robert Johnson"の曲です。2人の白人らしからぬソウルフルなパフォーマンスは
ミュージシャン仲間からまず支持を得ます。
この演奏でギターを弾いているのはDuane Allmanです。彼はAretha Franklin,
Wilson Pickettらのレコーディングでセッションミュージシャンとして活躍し
その後"The Allman Brothers Band"で名を残しました。
The BeatlesのGeorge Harrisonも2人を気に入りアップルレコードに誘いましたが、
これは叶わず、1969年にエレクトラ・レコードからメジャーデビューします。
エレクトラ・レコードには当時Doors,Joni Mitchell,Carly Simonらが所属しています。
"Robert Johnson"1937年の
ヴァージョンです。
一瞬同じ曲と気づかないぐらい、違う印象を受けます。
"Robert Johnson"は"The Delta blues"を代表するブルースマンですが、
"The Delta blues"とはアメリカ合衆国南部のミシシッピ川流域(ミシシッピ・デルタ)やテネシー州メンフィスなどの地域で1920年代からはじまった、
初期のブルースミュージックを指します。
南部を旅して農場で働く黒人労働者と同じく地方を回って歌っていましたが、職業人というよりは、農場で働きつつ歌うというのが実際の姿であったようです。
ブルースマンの中には農場から逃げて投げ銭で生活する者もいました。
ブルースは労働者の移動と共にシカゴ・デトロイトなど北部へも広がり"Chicago Blues"
として発展していきます。このあたりの広がりはDixie land Jazzと同じです。
また西海岸へも同様に広がっていったのです。
1960年代後半のベイエリアやロサンゼルスなど西海岸は、
反体制的なカウンターカルチャーが盛んな地であり、ヒッピー的思想、マリファナやLSDなどのドラッグ・カルチャーが広がっていて、新時代の若者文化の中心地としての
役割を担っていました。その勢いが音楽にも反映されたのです。