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名曲千夜一夜物語-62~"These Boots Are Made for Walkin'"-Nancy Sinatra-1966



Billboard1位を獲得。

英国,カナダ,オーストラリアなど各国で1位。

"Lee Hazlewood"作曲。

"Nancy Sinatra"は"Frank Sinatra"の娘で1960sにアイドル的な活躍をしました。

作曲者の"Lee Hazlewood"はカントリー系のシンガーソングライターで、"Nancy”に多くの曲を提供しました。低く渋い声で"Nancy & Lee"で1枚アルバムを制作しています。

この曲はウッドベースの下がってくるフレーズがとても印象的ですが、

他の彼の曲も1967年のアルバム”Its Cause And Its Cure"は新鮮なアレンジが施されており、当時のskiffleの曲やRock'n'rollとは一味違います。

"Lee Hazlewood"は"Rowland S. Howard","Miles Kane","Primal Scream"

"The Jesus And Mary Chain"など、アンダーグラウンド、オルタネイティブ系の

ロックミュージシャンに人気があり、カヴァーされています。

彼の曲の"ポストロック"的なソリッドなシンプルさが好まれていると

思うのですが、1960年代の時代背景で育った彼が1980sのアーティストの心に響く感性をもっているというのは興味があります。

彼を支持するロックミュージシャンはある意味”病んでる系”と表現できます。

産業革命からはじまった資本主義社会のアメリカンドリーム的なプラスの裏側にある

”歪み”が”パンク”という形で音楽に姿を現してきたのが1980sです。

ハードロック、プログレッシブロック、ジャズなど60s,70sの音楽は技術も知識も

専門性を必要とします。演奏技術も修練が必要です。

それに対しての反発としてパンクが70s後半からでてくるのですが、

ゆえに、フレーズも演奏もシンプルになりました。その分

メッセージ性が増したわけです。

メッセージ性は60sの作品、アーティストからすでにあるのですが、彼らはそれに加え音楽という手段による表現力のひきあげをも模索していた。

だからこそ演奏力もあがっていくし、曲の完成度も高くなっていく。

"Lee Hazlewood"の曲は確かにメロディーはシンプルであるし、リズムがシンプル

です。後の"Acid Jazz","Hip Hop"にみられるサンプリング-ループのような

リズムアレンジをつかいます。

60sの時代にその"cool"さを持っていたのが不思議です。


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