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執筆者の写真jazzdrumclub

名曲千夜一夜物語-57~"Sing a Simple Song"-Sly and The Family Stone-1968



"Sing a Simple Song"

~ Sly and The Family Stone~

1968年

"Sly and The Family Stone"は1966~1983で活躍したファンクミュージックの

大御所です。有名な曲には"Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)"~1969

がありますが60s後半から70sにかけて数々の素晴らしいファンクミュージックを

Billboard Chartsにおくりこんでいます。

サックスとドラムの2人が白人で、他5人は血縁の黒人バンドです。

ライブでは『黒人と白人で争うのは止めよう!』とメッセージを投げかけていました。

この曲はシングル"Everyday People"のB面で"Everyday People"はまさに

人種差別に対して平和と平等と連帯を高らかに歌い上げた曲で

Billboardで4週連続1位を獲得しました。

"Funk Music"とは何か~との問いに答えるのは本が一冊書けそうですが

ラテンミュージックがアップビートにアクセントがくるのに対して

ファンクミュージックはダウンビートにアクセントがくるということは

言えるでしょう。

とはいうものの、曲の重要なファクターであるリフはシンコペーションがある

フレーズです。それとメロディーのシンコペーションあるリズムが

アンサンブルのパラディドルをつくりだし、

曲のカッコいいリズムとグルーブを作っています。

中心人物の"Sly Stone"は1960年代にはいってカリフォルニアでラジオのDJをしていました。幼いころからゴスペルを歌い9歳で実は兄弟でシングルをだしています。

ハイスクールではいくつもの楽器を弾きこなすようになっていた"Sly"はバンドをつくり1967年"Sly and The Family Stone"としてデビューします。

メンバーが黒人のファミリーと白人というバンドだっただけに

”黒人と白人で争うなんて馬鹿らしい”と自然にに思っていたでしょうし、

それだけに積極的に人種差別に対して行動を起こさずにはいられなかったのだと

思います。

1963年に有名な「ワシントン大行進」がありました。20万人以上の人々が米国の首都ワシントンに集まり、すべての人の平等を求めてデモ行進をしたのです。公民権運動のリーダー的存在だったマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの有名な演説があります。

「私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージアの赤土の丘の上で、かつての奴隷の息子たちと、かつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくようになることである」

しかしその後も人種対立に関する大暴動が絶えず、キング氏は1968年暗殺されます。

この1968年まで黒人に選挙権もなかったのですが、信じられますか?

昭和で言えば43年です。その後徐々に公民権は各州で認められていきます。

そういう状況ですから、"Sly"が活動していた60s後半は公的に発言するのも勇気がいることだったのではないかと思うのです。


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