"YES"は英国のプログレッシブロックバンドです。
このアルバムは1972年リリース
Billboard最高位3位,英国で4位,
好セールスを記録しました。
この映像の音楽はアルバムのオリジナルですが、演奏部分の映像は1975年のライブから編集して張っていますので、音とずれているのをご了承ください。
スタジオアルバムの録音メンバーは
Jon Anderson – lead vocals
Steve Howe – guitar, backing vocals
Chris Squire – bass, backing vocals
Rick Wakeman – keyboards
Bill Bruford – drums, percussion
ですが、1975年のライブではkeyboardsが"Patrick Moraz"に,drumsが"Alan White"に
代わっています。
YESは1975年当時のコンサート音響技術では対応するのがむつかしいほど大量の機材をつかっていたので、ライブの音源の質が良くありません。なのでスタジオ制作の曲に
ライブの様子がわかるように映像を編集しました。雰囲気を感じてください。
YESは1969年デビューし、"Close to the Edge"は5枚目のアルバムです。デビュー時は
曲はそれほど長くはなく"Psychedelic rock"のようなポップ的な曲が主体でしたがそれでも2枚目の"Time and a Word"に収録されているAndersonの曲"Then"では緩急あふれる展開やメロディーラインに後の作品の息吹がみられます。
3枚目の"The Yes Album"でYES独自の世界観がかなり確立されてきます。
YESの曲はこの時期の他のアーティストと比較してもかなり独創性が高いです。
Bluesやboogieのような形式的な曲をつくりません。
そしてそれは"Jon Anderson"の世界観から生まれてきていたのだろうと思われます。
この次の6枚目"Tales from Topographic Oceans"-1973までが、私は音楽史に残るYESの作品だと考えます。2018年に結成50周年で引き続き活動をしてはいるのですが
"Anderson"はいないし、ネームヴァリューを利用したビジネスと化しています。
最後に歌詞が何を歌っているかについてです。
1960年代後半から米国に端を発したヒッピー文化の影響があります。南北対立・ベトナム戦争への厭戦気分などがその発端ではあるのですが、"Anderson"は東洋思想に傾倒していました。
最後の節の一部を抜粋します。
『歴史にちりばめられた記憶をたどれば、
繰り返される様々な事象が同じことに起因するのだとわかる。
勝利を追い求める変わらない人間のサガが人間を混乱に落とし込む。 欲を手放した空(くう)のこころが愛がなにかを知らしめる。』
『歌と経験が、人に世界が争いなく進むように配慮するこころを蘇らせる。』
この節は
"歴史は繰り返す。争いの種はいつもおなじこと、"欲"から起きる。
人間の歩みの知恵~経験~から、欲から離れた心で静かな争いのない世界を
再現しよう"と歌っています。
この主張は次作"Tales from Topographic Oceans"で引き継がれ、4曲で81分を越える
大作となるのです。