Vangelisがソロとなって最初のアルバム作品です。
Vangelisというとシンセサイザーによる作品が有名で、さらに
『炎のランナー』や『ブレードランナー』等の映画音楽制作で知られています。
しかし、彼の音楽性はソロになって最初の公式作品"Earth"に凝縮されています。
ヨーロッパ人としてギリシャに生まれ育った彼の感性。画家の父と音楽家の母という
創作家としての血筋を持ち4歳からピアノと作曲を始め、6歳で演奏会をおこなった早熟な才能。高校からプロとしてVib,Piano,Organを弾いていた演奏力、高校卒業後音楽ではなく美術学校で映画と美術を学んだ芸術への理解。
それらの資質を備えた若者が初めて自分の作品を世に出したらどうなるか。
この作品が答えてくれます。
正直、Vangelisはシンセサイザー音楽の一人として『反射率0.39~(Albedo 0.39)』か
『螺旋~(Spiral)』から選ぼうと考えていたのですが、改めて彼の作品を聴きなおすと
"Earth"が突出していることがわかりました。
彼自身シンセサイザー奏者と呼ばれることを嫌っているようです。
また彼は、楽譜の読み書きができないと明らかにしており、作品は楽器を自分の周りにおいて、スタジオで自らの多重録音で完成させる方法をとっています。
創造的なヨーロッパの作曲家の作品として忘れられない素晴らしい作品です。