
アルバム"Jazz"収録
Ry Cooder - Guitar
Tom Collier - Vibraphone
Harvey Pittel - Alto Saxophone
Tom Pedrini - Bass
David Sherr - Bass Clarinet
written by Bix Beiderbecke
Ry Cooder-1978年の名盤”Jazz"です。
これはジャズ誕生期の作曲家の作品、19世紀後半から20世紀初頭の
"Coon Song","Gospel"など、つまりJazzを醸成させる土台になった曲をとりあげた
作品です。
"Coon Song"とは黒人文化を揶揄して白人が顔を黒塗りにして演じた"Minstrel show"で
演じられた曲を指します。
"Minstrel show"は1830-1910年頃に演じられたエンターテインメントで、
今の感覚では人種差別的な風刺に満ちているものですが、
当時は大きな人気をもって支持されていました。
Jazzって何?と問われると"デキシーランドジャズ",”スイング”,”ピアノトリオ”と
人によって思い浮かぶ曲がたくさんでてくると思います。
それら発達したジャズの起源の楽曲がここに収められています。

そんなJazzの起源に目を向けて
その誕生期の音楽をかみしめることで
"Ry Cooder"は米国で生まれた大衆音楽の
本質を失わずに良質の音楽を
届けようとしたのだと思うのです。
そんな名盤”Jazz”に収録されているのが
Bix Beiderbecke作曲の”In A Mist"なのです。
こちらは
Bix Beiderbeckeの
オリジナルです。
◆In A Mist-1927年~Bix Beiderbecke
"Bix Beiderbecke"は、サッチモで知られる有名なトランペット奏者
"Louis Armstrong"と並ぶ、高い評価を得ていたコルネット&ピアノ奏者です。

コルネットはトランペットの兄弟楽器です。
"Bix Beiderbecke"は クラシックの印象派を意識しつつ、ジャズ曲として
この曲を作成したと言われています。
彼はコルネットもピアノも独学で習得し、21歳で初ステージを踏み、
20年代に幾つかの素晴らしい演奏を残していますが、
アルコール依存症で28歳で早逝してしまいます。

1920年代にはジャズ・オーケストラが
活躍しはじめていましたが、
米国では同時期に”禁酒法の時代”を
迎えます。
そしてその禁酒法の時代に
ジャズは大きく発展することになったのです。
しかしそれより前の1890年ごろから
南部の黒人の中から派生した音楽がニューオリンズなどで
"Rag Time"と”Dixieland Jazz”と呼ばれるようになりました。
それが今のジャズの始まりだということができます。
Jazzって?と考えたとき、”即興性~インプロビゼーション~が
大きな要素だと言われますが、
それをかたちづくったのも”Dixieland Jazz”なのです。
次回は”Dixieland Jazz”に迫ります。