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名曲千夜一夜物語-04~"In A Mist"-Bix Beiderbecke-1928

執筆者の写真: jazzdrumclubjazzdrumclub

更新日:2020年5月8日



アルバム"Jazz"収録

Ry Cooder - Guitar

Tom Collier - Vibraphone Harvey Pittel - Alto Saxophone Tom Pedrini - Bass David Sherr - Bass Clarinet

written by Bix Beiderbecke





Ry Cooder-1978年の名盤”Jazz"です。

これはジャズ誕生期の作曲家の作品、19世紀後半から20世紀初頭の

"Coon Song","Gospel"など、つまりJazzを醸成させる土台になった曲をとりあげた

作品です。


"Coon Song"とは黒人文化を揶揄して白人が顔を黒塗りにして演じた"Minstrel show"で

演じられた曲を指します。

"Minstrel show"は1830-1910年頃に演じられたエンターテインメントで、

今の感覚では人種差別的な風刺に満ちているものですが、

当時は大きな人気をもって支持されていました。


Jazzって何?と問われると"デキシーランドジャズ",”スイング”,”ピアノトリオ”と

人によって思い浮かぶ曲がたくさんでてくると思います。

それら発達したジャズの起源の楽曲がここに収められています。

そんなJazzの起源に目を向けて

その誕生期の音楽をかみしめることで

"Ry Cooder"は米国で生まれた大衆音楽の

本質を失わずに良質の音楽を

届けようとしたのだと思うのです。


そんな名盤”Jazz”に収録されているのが

Bix Beiderbecke作曲の”In A Mist"なのです。




こちらは

Bix Beiderbeckeの

オリジナルです。

◆In A Mist-1927年~Bix Beiderbecke





"Bix Beiderbecke"は、サッチモで知られる有名なトランペット奏者

"Louis Armstrong"と並ぶ、高い評価を得ていたコルネット&ピアノ奏者です。


コルネットはトランペットの兄弟楽器です。



"Bix Beiderbecke"は クラシックの印象派を意識しつつ、ジャズ曲として

この曲を作成したと言われています。

彼はコルネットもピアノも独学で習得し、21歳で初ステージを踏み、

20年代に幾つかの素晴らしい演奏を残していますが、

アルコール依存症で28歳で早逝してしまいます。

1920年代にはジャズ・オーケストラが

活躍しはじめていましたが、

米国では同時期に”禁酒法の時代”を

迎えます。

そしてその禁酒法の時代に

ジャズは大きく発展することになったのです。


しかしそれより前の1890年ごろから

南部の黒人の中から派生した音楽がニューオリンズなどで

"Rag Time"と”Dixieland Jazz”と呼ばれるようになりました。

それが今のジャズの始まりだということができます。


Jazzって?と考えたとき、”即興性~インプロビゼーション~が

大きな要素だと言われますが、

それをかたちづくったのも”Dixieland Jazz”なのです。

次回は”Dixieland Jazz”に迫ります。

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