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執筆者の写真jazzdrumclub

名曲千夜一夜物語-714~"Köln, January24, 1975, Pt.ⅡC"-Keith Jarrett-1975

更新日:2022年10月5日


Keith Jarrett - improvised by, Piano


Manfred Eicher - Producer

Martin Wieland - Engineer





"Keith Jarrett"は1972年から、完成された楽曲を演奏するのではなく

その演奏当日のステージの場で思い描いたように演奏する

『完全即興演奏コンサート』を始めていました。

この曲が演奏されたのは1975年1月24日です。

当日はピアノは"Keith"の指定したものとは違い、

しかも状態も良くなかった。

"Keith"も連日のコンサートと長距離の移動の

疲れがたまっていて、

背中に特にひどく痛みを生じていました。


しかし、その状態で演奏され録音されたこのアルバムは

ソロピアノ作品としては異例の売り上げに達し、

"Keith"の最高傑作と支持する人もものすごく多いという

結果を生みだしました。

特にこの最後に演奏された『テイク~Köln, January24, 1975, Pt.ⅡC』は

高い評価を得ているのです。

2006年東京でのソロコンサート

での演奏です。







評論家の中には"Keith"が事前に幾多のフレーズや和声進行を

仕込んでおいたのだから、

"完全即興"ではない、と批判する人もいます。

しかしそれを聴衆を前にして構築していきながら

一点の不自然もないというのは、

"Keith"の強力な技術と集中力を明確に証明しているし、

なによりも、

出来上がった"楽曲"が多くの人々の心を打ち、

時代を越えて存在力をもっているということで

充分です。


次回からはピアノ作品の名作の軌跡を追っていきます。

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