アルバム"her higness"収録
Brad Laner – vocals, guitar, bass guitar, keyboards, arrangement, production, engineering Beth Thompson – vocals, photography
Jim Goodall – drums
"Medicine"は1980年頃からパンクバンドで活動していた"Brad Laner"が結成した
"Shoegazing"のアーティストの中でそれ程メジャーではないのですが、
素晴らしいShoegazing-soundを送り出した素晴らしいバンドです。
"Shoegazing"のサウンドを最初に始めたアーティストとしては
英国の"The Jesus and Mary Chain"が1985年に発表したアルバム"Psychocandy"だと
も言われていますが、フレンチポップスのようなメロディーをやけに歪んだギターで
バッキングし、ヴォーカルには深いリヴァーブがかかっている、というもので
楽曲としては不自然な状態で、まだアイデア先行の状態です。
アルバム"her higness"の冒頭を飾るこの曲は
『調性は維持した歪みでメロディーに対する対旋律としてギターが機能している』
『メロディーはギターの音色に対して”パワーボーカル”ではなく
音域の幅が狭いシンプルなメロディー』
"Shoegazing"であり、"post rock"の雰囲気も明確に感じさせる仕上がりです。
一般的に評価が高いとは言えないのですが
"underrating"作品の代表格のアルバムです。
"Lime Sicks"
live at the whisky a go go 1995
歪んだギターの音というのはコントロールするのが音響的に非常にむつかしいものです。
ライブならばなおさらです。
残念ながら"All Good things"の試聴に耐えるライブ映像はありませんでした。
代わりに別曲で当時の彼らのライブの空気感を感じてください。

"post rock"と呼ばれるジャンルが
1990年代にはいって認知されるようになります。
音楽評論家"Simon Reynolds"はその
音楽性を次のように表しています。
「ロックからポストロックへと変わる場合、以下のような道筋をたどる。
まず語るような詞、次に意識の流れ、
次に深い響きの声、最後が
純粋なインストゥルメンタルだ」
上手く言い表しています。
"Medicine"はとても素晴らしい"post rock"を奏でた先駆者のバンドのひとつです。
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