アルバム"Dummy"収録
-Portishead-
Beth Gibbons – vocals
Geoff Barrow – Rhodes piano,drums,programming
Adrian Utley – guitar,bass,theremin,organ
-Additional musicians-
Clive Deamer – drums,Gary Baldwin – organ,Neil Solman – piano,organ
Richard Newell – drum programming,Andy Hague – trumpet,Dave McDonald — nose flute
Strings Unlimited – strings
"Portishead"は英国"Bristol"で活動を始め、デビューアルバムの"Dummy"は
350万枚以上のセールスをあげ、欧米各国で上位にランクインした話題作です。
Live At Roseland NY
"Geoff "はレコーディングスタジオでエンジニアとして働いた経験があり、音を加工することに違和感なく色々なアプローチをしてこのアルバムを制作したようです。
"Beth"は"Pub"などで歌を歌っていましたがとても繊細で感受性が深いキャラクターで
無遠慮なメディアを嫌いメディアの対応はすべて"Geoff "がこなしていました。
"R&B","Jazz","rock","folk",と様々な音楽が
50年代から発展し枝分かれして
80年代には"Arena-rock"や"Pop-soul"などが大型の
コンサート会場でコンサートを行い、市民権を得ると同時に商業化していきました。
”商業化”というのは『多く売れることを目的として制作する』ということです。
これは『多くの人に届けたい』とは異なり、メロディーやリズムフレーズ、時には和声構造
にも大衆の好むパターンにそって制作するということを意味しています。
当然のことながら、そうなるとヒット曲から個性が失われていくことにもつながります。
一方でコンピューターの急速な進化は音楽制作に大きな影響も与えました。
この2つの状況から"Trip hop"は生まれています。
"今までになかった音楽は素晴らしい"とは勿論必ずしも正しくないのですが、
複雑な人間の感情をより時代に沿って表現することは大きな意味があり、その場合
以前にみられなかった音楽が大きなセールスでマーケットに受け入れられることが
突然発生するのです。
60年代70年代は便利な商品、綺麗な商品がたくさん作られ売られて社会が成長し、
楽しく生きることを世界中が求めている時代でした。
しかし86年のチェルノブイリ原発事故、アメリカスペースシャトルチャレンジャー号爆発事故、と急成長社会を支えた科学の力への不安が潜在的にせよ、人々の意識に
生まれてきました。
そして社会主義圏の失敗によって89年にベルリンの壁が崩壊します。
そのような社会の不安定さに翻弄される人間の不安が
"Portishead"の音楽には満ちています。
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