アルバム"Blue Lines"収録
Robert "3D" Del Naja: vocals, keyboards
Grantley "Daddy G" Marshall: vocals
Andrew "Mushroom" Vowles: keyboards
Shara Nelson: vocals
Mix engineer: Jeremy Allom
produced and mixed by Massive Attack and Jonny Dollar
written by Robert Del Naja,Grantley Marshall,Andrew Vowles
アルバム"Blue Lines"は"Massive Attack"のデビューアルバムです。
といってもそれぞれのメンバーは80年代から作品を発表しており、新人アーティストというよりは"Massive Attack"としての最初の作品ということであって、さらには
"Trip hop"と名付けられたジャンルを明確化したアルバムとして位置付けられています。
MTV Live
"Trip hop"にはフレーズを録音してそれを自由に切り貼りすることが不可欠ですが、
電子楽器の発達によって"Trip hop"のような音楽が成り立つことができたのです。

日本の"AKAI"が開発販売した
サンプリングマシン"S900"は
1986年に発売されました。

S1000は16bitサンプリングで
音質も使い勝手も向上しました。
1988年の発売です。
これらは楽器を上手く弾けなくても使える機材であり、
イベントやパーティーで音楽を大音量で鳴らすDJチームがこのような機材を使いだすのは
自然のことでした。
これらのチームは"Soundsystem"と呼ばれていて、"Massive Attack"も
この"Soundsystem"から生まれているのです。
"Trip hop"が"hip hop"の発展系と言われるのも、このあたりに根拠があります。
"hip hop"は1970年代に米国で出現した文化のひとつであって
"rapping","DJing","break dancing","graffiti"~ラップ、DJ、ブレイクダンス、グラフィティー~の4つでパーティーを盛り上げるチームがつくりだした文化なのです。
その図式が"Bristol"を中心に広がった"Soundsystem"と重なる理由です。
"hip hop"は黒人が主体で中南米系の米国人もいて、教育からこぼれた若者たちの
文化であり、ギャングの文化でもあります。
ラップのバトルとは今でも耳にする言葉ですが、ギャング同士の争いで流血を避ける彼らの
知恵でもあったのです。
一方"Trip hop"も移民文化の影響があるという面では同じで、レゲエを取り上げたりするところにその影響が見られます。
しかし"hip hop"よりも和声感や構成、メロディーの在り方などは欧州的音楽文化の
影響が強く感じられます。つまりよりポリフォニックな和声構造の楽曲が多く見られます。
それが強く感じられるアーティストが"Portishead"です。
次回は"Portishead"に迫ります。
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