名曲千夜一夜物語-447~"Waltz for Debby"-Bill Evans-1962
更新日:2020年1月11日
アルバム"Waltz for Debby"収録
Bill Evans - Piano
Scott LaFaro - Bass
Paul Motian - Drums
composed by Bill Evans
前回の"Nardis"とは打って変わってリリカルで美しい"Evans"の演奏です。
1956年の彼のアルバム"New Jazz Conceptions"にて初めて発表されました。
そちらはソロピアノです。
ここではニューヨークのクラブ"Village Vanguard"でのトリオ演奏が
おさめられています。
この"Evans","LaFaro","Motian"のトリオは以降のピアノトリオの在り方に
大きく影響を与えたトリオだと言われています。
"LaFaro"は、従来のピアノトリオでは和声の進行を支えるウオーキングベースが
主たる演奏形態でしたが、
対位法的~ピアノの旋律に対して対旋律としてのラインをベースが演奏する~ことで
立体的な曲に仕上げています。
"Motian"の演奏もまた、旋律的に演奏しているのが感じられます。
しかしこの"Village Vanguard"での演奏のわずか10日後に"LaFaro"は交通事故にあい
1ヶ月後に他界してしまいました。
1966年若きベーシスト"Eddie Gómez"と出会うまで、"Evans"の活動は
不安定になりましたが、"Gómez"との活動は上手くいき、その後11年続きます。
Chick Core - piano
Stanley Clarke - bass
"Chick"と"Corea"は70年代のレジェンドフュージョンユニット"Return to Forever"
からの相棒です。
"Stanley Clarke"は米国のフィラデルフィア生まれで、教会で歌う母のもと、
早くから楽器に触れ音楽に親しみました。
最初の楽器はヴァイオリンでしたが、12歳で180cmを越える彼の手には
ヴァイオリンはあまりにも小さく、
たまたま練習室に置いてあったウッドベースを弾けるのが
手の大きい彼だけだったのでベースを始めるきっかけになったということです。
高校を卒業後地元で音楽学校に在籍して学び、20歳でニューヨークに移ります。
"Joe Henderson:sax","Pharoah Sanders:sax","Art Blakey:drums"
らとの演奏の機会に恵まれ22歳の時"Chick"と出会い、"Return to Forever"に参加します。
次回は"Stanley Clarke"の活動から名曲に迫ります。