top of page
執筆者の写真jazzdrumclub

名曲千夜一夜物語-317~"Song For Sally"- Chick Corea-1971


アルバム"Piano Improvisations Vol. 1"

収録


Chick Corea - piano

composed by Chick Corea


Manfred Eicher - Producer


Catalog No - ECM1014



"Keith Jarrett" と共に"Miles"のグループで演奏をしていた"Chick Corea"もECMから作品を発表しています。この曲はラテンの匂いが感じられる"Corea"らしい作品です。

"Chick Corea"といえば"Return to Forever","Gary Burton"とのデュオなどグループとしての作品が目立ちますが、ソロも秀悦な作品をのこしています。

"Keith Jarrett"は即興性を重んじ、"Corea"は作曲により興味が高いのは事実ですが、

1970年あたりではECMからフリージャズ系の作品を発表しています。

アグレッシッブな方向にもいってみたんだけど、結局"Corea"は作曲に

むかったということなのです。


旋律やリズムを発想すること自体が作曲なのではなく、それを再構成することが作曲です。

作曲家の大家 "Arnold Schönberg "が

名著『作曲の基礎技法』でその方法論を明快に述べているので作曲に興味があるかたは必読です。


これを読むと音楽理論というのが後付けのものであることが理解できます。

感性によって旋律を再構成し和声化した有史以来の名曲の数々を検証して

方法論化したのが作曲技法であって、

ジャズ理論も同じことが言えます。






しかし一度理論を知ってしまうと理論を活用して曲を制作する姿勢が

どうしても出てきてしまいます。

便利ではありますが、それが名曲を産み出すことには必ずしもつながらないのも

また事実なのです。


歴代の名アーティストの名作はそれぞれのキャリアの若い時代-20代に集中していることが

そのことを示しています。

"十二音階技法"以降の現代音楽の分野から支持される曲がなかなか出てこなくなったのも

その表れかもしれませんが、"技法"に偏った現代音楽においても

最後に選択するのは作曲家の感性です。

名曲はそこにもやはりあるのです。


閲覧数:1回0件のコメント

Comments


bottom of page