アルバム"Let's Dance"収録
David Bowie – vocals
Stevie Ray Vaughan – lead guitar
Nile Rodgers – rhythm guitar
Carmine Rojas – bass guitar
Erdal Kizilcay – keyboard bass
Omar Hakim – drums
Rob Sabino – keyboards; piano
Mac Gollehon – trumpet
Robert Aaron,Stan Harrison,Steve Elson – saxophone Sammy Figueroa – percussion
"David Bowie"の作品としては最も売れたヒット曲です。だからといってこの曲が"Bowie"の最高作であるわけではなく、彼は多くのメジャーアーティストと違い、その時代・時期によって作品の色が異なります。
1964年にシングルデビューしますが、彼のスタイルが明確になったのは
"The Man Who Sold the World"~1970年からで、この作品はグラムロックとも言われます。
"Bowie"は舞踏家"Lindsay Kemp"に指導をうけた表現者であり、"視覚"、"触覚的アート"も興味がある
"アーティスト"としてとらえるのが正確です。
そもそも"Bowie"が音楽をつくるテーマは "白人である私、ヨーロッパ人である私はいかに黒人音楽を取り入れるべきか "でした。このテーマは一貫して変わっていません。
この曲では70年代のダンスミュージックを牽引した"Chic"の主要メンバー"Nile Rodgers"によって仕上げられました。元は"Bowie"がギターで弾いたフォークソングみたいな曲だった、と"Rodgers"は語っています。この曲が最初にこの二人のプロジェクトのトライアルとしてデモが制作され、
パワーある曲に仕上げた"Rodgers"がアルバム全体をプロデュースすることになったのです。
ですから、"自分という素材"を"自分の願い"に向かって"実現してくれる人材を選んだ"Bowie"こそが
プロデューサーですし、セルフプロデュースというむつかしいことができたアーティストであるということができるのです。そして"カルトリーダー"の"Bowie"は今作で"ポップアーティスト"に立ち位置を移動させる目的をはたすことができました。
音楽制作の面からみると、"Stevie Ray Vaughan"のギターへの起用があります。"Ray Vaughan"はバリバリのブルースギタリストです。
ここに"Nile Rodgers"が単にギタリストであるだけではなく名プロデューサーとして歴史をつくった男である理由がわかります。
彼が全て弾けば早いし自分の想い通りになるし、ましてやこの曲はお得意のファンクなのです。
そうではない。"曲をどうしたいか"の自分の目的と"曲が何を必要としているか"を
客観的にみることができる。それが"ギターを弾きたい"を越えている。
プレイヤー系のプロデューサーとしてはめずらしい逸材です。
1983年のSERIOUS MOONLIGHT TOURから
ギタリストは"Earl Slick"が担当しています。
当初"Stevie Ray Vaughan"が予定されていましたが、彼のドラッグ問題で取りやめになりました。残念です。
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