名曲千夜一夜物語-292~"Rich Girl"-Daryl Hall & John Oates-1977
Daryl Hall – lead vocals, backing vocals, keyboards
John Oates – backing vocals, rhythm guitars
Christopher Bond – keyboards
James Getzoff – conductor
Scotty Edwards – bass
Jim Gordon – drums
Gary Coleman – percussion
"Blue-Eyed soul"黒人が演奏したR&Bやソウルミュージックを白人が創作し演奏したものを英語圏では音楽ジャンルとしてこう呼ばれています。
1962年に"The Righteous Brothers"がプロデューサー"Phil Spector"プロデュースで制作し、
"You've Lost That Lovin' Feelin'~振られた気持ち"をリリースしたのがこのジャンルの最初の曲とされています。
人種問題は米国の根深い闇のひとつですが、白人がR&Bやソウルミュージックをやることは少なからず 社会には抵抗感があったようです。"Hall"にしても"Oates"にしても十代の時に単にカッコいいと思った音楽がそれだっただけであり、Jazzの成り立ちと同じことがR&B&Soulの分野でも起きたということなのですが、"Rich Girl"は全米1位になった彼らの最初の曲です。
"Nina Simone"のパフォーマンスです。
"Nina Simone"はリリース2年後の1978年にこの曲を"Baltimore"というアルバムに収録しました。
当時45歳で"Hall & Oates"より年長の大御所にとりあげられたことは彼らにとって大きな喜びでした。
結局何が違うのか。
"Hall & Oates"では8分の3拍目に強拍がきていて、これは"Rock'n' roll"のスタイルと同じです。
"Nina Simone"の方は8分の2拍目にベースがスラップ奏法で強拍をつくっていて"Swing beat"の
グルーブ感をつくりだしています。さらにサビの部分では8分の3拍目に強拍に変更する手法をとって
全体の流れをゴージャスにみせています。
"Hall & Oates"の方はサビは押せ押せで盛り上げるのに対して"Nina Simone"は歌い上げることでサビの重要性をひきだしています。
"Hall & Oates"は白人に広く受け入れられている"rock'n'roll"に寄せているのに対して
"Nina Simone"は"gospel"に近づけているという印象があります。